「Japan is cheap」

「Japan is cheap」この言葉は、「日本は安い」という意味ですが、今、海外から日本に訪れる観光客や、世界の投資家が口にする言葉です。日本人の給料は25年近くも右肩下がりで、物価もほとんど上がっていません。今や日本は、安さを求めて世界中から観光客や投資家が集まる「安くて貧乏な国」と言われています。ロンブーの田村淳さんがある番組で今の日本を象徴するエピソードを語っていました。田村淳さんが東京オリンピックの取材中に、メディアセンターで販売しているお弁当が1個1800円だったそうです。日本人にとっては高い金額です。しかし海外から来たメディアの人たちは「日本の弁当は安い」と口を揃えて言い、買っていたとの話です。NYでは、かけそばがチップを合わせると1杯1900円します。そのそばを「安い」と感じているのです。アメリカは20年以上、物価と人件費を上げながら、経済成長を果たしてきました。そんな海外と日本の感覚の違い。それは、未だに日本の地方の最低賃金は800円前半。ヨーロッパの高いところは1600円超え。韓国は1500円。NYは1700円水準(+チップで実質の時給が3000円〜5000円)と。一方で給与が増えず、実質賃金が下がっている日本との差は開くばかりです。



はたして日本の賃金が上がらないことだけが、「日本は安い」の原因なのでしょうか。25年以上の長いデフレによって日本人の感覚に備わった「安さの基準」。もちろん、安いって良いことだと思います。貧富の差が広がる日本で経済的な理由で「安さ」にしか手が出せない場合もあります。いのちは平等であり、健康で健やかな人生を過ごす。それは日本人としての権利です。今、日本では、その「安さ主義」の蔓延で、国民のいのちを守ることさえも失われています。安さを求めすぎた日本の末路です。今の子供達の未来に、私たち大人は何を残すことが出来るのでしょうか。


鶏肉は安くてヘルシーな国民食

いのちを育み、健康の基本である「食」の中で、カロリー控えめで良質なたんぱく質を含む「鶏肉」は、食卓に上ることの多い食材です。肉類の中でも安価な鶏肉は、日本の食生活に欠かせない食材となりました。肉類の中でも鶏肉は、最も消費量が多く、1人当たり年間12.6kgを消費しています。また近年では、疲労回復等の効能がテレビメディアでも取り上げられ、ダイエット中の食事や健康的な食生活に欠かせない食材として認知が進んでいます。更に、唐揚げ専門店の増加やファミレスのチキンステーキなど多彩な調理で「国民食」になりつつある人気の食材「鶏肉」です。

鶏肉の44%は輸入に頼っている

その国民食とも言われる人気の「鶏肉」の国内自給率を見ると、現在66%程度です。牛肉は40%、豚肉は50%程度なので、鶏肉は比較的高い水準で国内生産が実現できています。ただ、国内生産で市場に出回る鶏肉は、そのほとんどがブロイラーと呼ばれる外国鶏種で、ブロイラーとは短期間で出荷できる肉用若鶏の総称。成長が速く、飼料効率にも優れていて、やわらかい肉質が特徴です。通常約50日で大きく成長し、歩留まりも良いため、非常に高い需要を誇っています。そして、国内の需要に足りない44%が輸入鶏肉です。輸入鶏肉の75%はブラジル産、23%がタイ産になり、この2つの国だけで98%にもなるのです。


安さを求める危険性

日本のスーパーでは、アメリカ産の牛肉と並んで、ブラジル産の安い鶏肉をよく目にします。「輸入鶏肉だけど、安いのでありがたい」などと思って、「家計にやさしいから、食卓で子供や家族に唐揚げをたくさん揚げています!」って喜んでいるあなたは、考え直した方がいいかもしれません...。 タイ産の鶏肉は発がん性のある抗菌剤のニトロフランを使っていたことが発覚し、EUが輸入を禁止する事態も起き、さらにブラジル産の鶏肉は、かねてより遺伝子組み換え飼料の毒性、ホルモン剤・抗生物質の大量投与による残留などが指摘されており、(有機ヒ素などの添加物投与が認められ、発がん性物質である)主要各国では国内基準を遥かに超える薬物で輸入禁止とされ、そのホルモン剤や抗生物質をつくったアメリカでさえも、ブラジル産鶏肉の輸入を禁止したほどです。成長ホルモン剤によって通常の3倍のスピードで無理やり急成長させ、その過程で病気や感染を防ぐために大量の抗生物質を使う「毒肉」なのです。日本へ輸入される75%もの鶏肉はこのブラジル産なのです。安さの秘密は、ホルモン剤や抗生物質を多量に使用し成長を早めた生産だから可能なのです。



不都合な食材はすべて日本へ

なぜこのように危険なブラジル産の鶏肉が大量に日本に来るのでしょうか?それは「安さ」だけを理由にして買っている国、世界でただ一つの日本だからです。それを喜んで食べている国民が日本人なのです。元々は主要輸出先であったアメリカが、抗生物質・ホルモン剤の過剰使用を理由にブラジル産の鶏肉輸入を禁止し、ブラジルはその分日本へ安さを理由に鶏肉輸出増加に充てて現在に至るという。そう、安全や安心を無視し、基準が世界一緩いと言われる、安さ重視の国、日本に。その逆に、ブラジルは、安全や基準に厳しいEU諸国への輸出用の鶏肉に関しては、抗生物質を使用せずに生産しているとのこと。世界で不都合になった食材は日本に回されてくると言うことなのです。こんな食材を認可する日本政府や検査機関、企業、既得権益にまみれた「安さ」が、今の日本なのです。


外食、弁当、からあげ専門店
ほとんどがブラジル産の鶏肉を使用

日本国内に輸入された鶏肉は、スーパーなどでは、食品表示に(ブラジル産)や(タイ産)と表記されているので、選別は可能です。ブラジル産の主な流通先は飲食店です。それは、弁当やファミレス、からあげ専門店、コンビニなどの加工品、調理品には産地表示の義務が無いからです。残念ながら安さを求める日本で、〇〇地鶏使用とか、国産鶏使用と明言するお店以外は、ブラジル産が当たり前に流通、使用されています。安全や安心を度外視し、安さで集客する。そして客も安さを求めて来店する。他国では食材として認められていない鶏肉を平気で使用する。「安さ」で衰退していく日本国の無限ループです。

「Japan is cheap」

「Japan is cheap」(日本は安い)。この言葉が世界中に伝わり、今、日本の企業、土地や建物、森林などが外国に安く買われ続けています。驚くことに、北海道の土地が外国に買われた面積は静岡県全体の面積を上回っています。そして、添加物や成長ホルモン、抗生物質、化学飼料で育てられた畜産、遺伝子組み合えの穀物など、ありえない食材が、日本に流通しています。そんな国難の中、食糧危機が世界で危惧され、急激な円安、物価上昇、最悪なインフレ状態へと進んでいます。 もう他人事ではありません。 真実を知り、行動していく。そんな時代となりました。今の子供たちの未来が奪われないように、笑顔溢れる、しあわせな人生が歩めるように...。私たち大人が責任を持たなければなりません。私たちひとりひとりが「国や政府が危険を守ってくれている」とか、「安全や安心は、誰かが守ってくれる...。」の幻想を捨てなければなりません。